公開日:2023/02/02
(最終更新日:2024/02/07)
A1サイズの図面スキャンを行う方法8選
~セルフスキャンから業者利用まで~
A1サイズの図面やポスター、パネルなどの展示物を、スキャンしてデータ保存したいと考えたことはありませんか?大きなサイズなので、スキャンする方法が見つからず、苦労をした経験がある方も多いのではないでしょうか。写真で撮影しておいたが、内容が読めずに後日困ったというエピソードも聞きます。今回は、そんなちょっと難しいA1スキャンの方法についてご紹介します。なお、今回ご紹介するセルフスキャンの方法はシート状の原稿を対象としています。製本図面などは専用の設備が必要となりますので、ご承知おきください。
A1サイズとは?
A1サイズというのは具体的にどのようなサイズでしょうか。
紙のサイズにはA版とB版があります。A版はドイツで作られた規格で現在は国際基準になっています。一方B版は日本の美濃紙のサイズを元に作られた規格で、A版よりも少し大きめです。
A版の規格はA0が基準となり、面積が1平方メートルの縦横の比率が1:√2の長方形です。A1はその半分、長方形の長い辺を半分にしたサイズです。数値で示すと、594×841mm。建築や土木の図面などに使用される他、ポスターやパネルでも同様のサイズを使用する場合があります。
A版サイズ:A0〜A6
A0サイズ | 841mm × 1189mm |
---|---|
A1サイズ | 594mm × 841mm |
A2サイズ | 420mm × 594mm |
A3サイズ | 297mm × 420mm |
A4サイズ | 210mm × 297mm |
A5サイズ | 148mm × 210mm |
A6サイズ | 105mm × 148mm |
A1スキャンを行う方法
A1スキャンと言っても、いくつかの方法が存在します。大別すると、自分でスキャンを行うセルフスキャンと業者など専門サービスに頼むスキャンがあり、それぞれ複数の方法が考えられます。
セルフスキャンであれば、小さいサイズでスキャンしてからPC上で合成する方法、アプリを使って撮影する方法、セルフサービスやレンタル等で専用の機械を用意する方法もあります。
専門サービスへの依頼なら、持ち込みや宅配などの入稿方法の違いの他、専門機器と作業員を派遣する方法もあります。
A1サイズをセルフスキャンする方法5選
セルフスキャンは、言葉通り自分で(=セルフ)スキャンを行います。スキャンを行うこと自体を指す言葉ですが、一般的に設置された機械を用いて、持ち込んだ原稿のスキャンを自分で行う店舗をセルフスキャンサービスと呼ぶこともあります。コンビニエンスストアに置かれた複合機の利用を想像していただければ分かりやすいと思います。
今回は、一般的なセルフスキャンサービスの他にも、自社でスキャンをする方法をご紹介します。
A3サイズで4回スキャンして画像編集ソフトで合成する
方法と価格
コンビニなどに置かれている複合機や、企業に設置されている複合機でも、A3サイズまではスキャンできるという機械は多くあります。A1サイズはA3サイズの四倍の大きさなので、身近にあるA3までの複合機で原稿を四度に分けてスキャンし、後で画像編集ソフトを使用して合成します。回転などは画像ソフトで簡単にできますので、四角を順にスキャナの基準に合わせてスキャンすると良いです。また、全面スキャンができない機種の場合には、少し縮小してスキャンすると、端までスキャンできます。端まで記載のある原稿をスキャンする場合には注意してください。
合成するソフトウェアは、Adobe Photoshopや身近なところだとWindowsアクセサリ内にあるペイントを利用する方もいます。無料ソフトウェアを用いる方も最近では多いようです。
費用は、A3複合機がある企業なら、そちらを使用すれば追加で料金はかかりませんし、コンビニ等の複合機でもスキャンできるため、120円程とスキャン費用はあまりかかりません。合成も、無料のソフトウェアを使うこともできるため、費用は最小限です。
メリット
費用がほとんどかからないのが、最大の利点です。PCがあれば、スキャン自体はコンビニや企業に置かれている複合機などでも作業可能なので、手軽です。
デメリット
デメリットとしては、仕上がりの品質が良くないことが挙げられます。特にA1の場合はA3を4枚合成するため、合成数が多く、合成の際にゆがみやズレが出やすいのが難点です。また、4回スキャンしてから合成を行うなど工程が多く時間がかかるので、原稿の枚数が多い場合、この方法でスキャンするのは現実的ではありません。さらに、画像ソフトや画像ソフトを扱う能力のある方が必要となるため、PCやソフトウェアに詳しくない方が行うのは難しいかもしれません。
スマホアプリでスキャンする
方法と価格
最近はスマホのカメラを使用してスキャンを行うアプリも登場しており、無料のものもあるようです。壁などに貼って影が出ないようにし、正面から撮影するのがおすすめです。アプリによっては、撮影した写真のゆがみを自動で補正してくれる機能なども付いています。既存の画像ソフトの方が使い慣れているという方は、スマホのカメラで撮影して、画像ソフトを使って補正しても良いですね。さらに綺麗な、内容がしっかり読める写真を撮影したい場合には、画素数の多いデジタルカメラを使用して撮影し、画像ソフトで補正することもできます。
お持ちの設備や道具に合わせて方法を選べば良いため、この方法もあまり費用はかかりません。
メリット
撮影のできるカメラの付いたスマホがあれば、簡単に試すことができます。機材や方法を検討することで、かなり読みやすくなりますので、金額をかけたくない時にまずトライしたい方法です。
デメリット
A1サイズの場合、原稿が大きく、使用するのが平面を撮影するためのカメラでは無いため、カメラの特性上端の方はゆがみが出やすくなっています。アプリには補正する機能がありますが、ゆがみが酷ければ補正が上手くいかないことがありますし、文字が読み取れない程度の補正しか行えない可能性もあります。
セルフサービスの利用
方法と価格
セルフスキャンの方法として、セルフサービスを利用する方法もあります。コンビニに設置されている複合機で提供されているセルフサービスもありますし、複数の複合機や専用機器が置かれたセルフサービス専門の店舗もあります。こういったセルフサービス専門店舗では、大判スキャンに対応した専用スキャナが置かれている場合があります。特殊なものは店員に依頼するシステムになっている店舗が多いですが、利用者の多い大都市などの大規模な店舗では、A1サイズであっても、スキャナを自分で操作してスキャンを行えるようになっている店舗もあります。
メリット
セルフスキャンの場合、自分でスキャンしてすぐにデータを持ち帰れるのでスピーディにスキャニングを行うことができます。また、スキャン枚数が少ない場合には、業者などに依頼するよりも自分で行った方がスキャンの代金が安くなることが多いです。
デメリット
大判スキャナを利用した経験の無い方には、専用スキャナは大きいですし、扱いにくいかもしれません。機器の使用に慣れていないと、スキャンを失敗してしまう、思った通りの精度でスキャンできないといったこともあります。
また、セルフサービスでも大型機を置いている店舗は少なく、コンビニなどにはもちろんありません。セルフサービスを行っている店舗のある地域でないと、大判の書類を持って移動するのは大変ですので、気軽に利用できないかもしれません。
さらに、社外に書類を持ち出す必要がある点も、セキュリティに注意している企業にとってはデメリットかもしれません。
A1サイズ対応のスキャナをレンタルする
方法と価格
スキャンしたいA1サイズの図面などが多数ある場合や、頻繁にスキャンが必要になる場合には、スキャナをレンタルする方法もあります。月額3万円ほどでレンタルできる機種もあり、使用期間が短ければ購入するよりお得に使用できます。レンタルしたスキャナは、自社に設置することになりますが、最近はスキャナも小型化してきており、デスク1台分程度の広さの場所があれば、設置可能な機種がほとんどです。
メリット
大きなものをスキャンするための専用のスキャナですので、一度使い方をマスターしてしまえば、綺麗なスキャンが可能になります。図面などの緻密なものや後から確認したいものをスキャンする場合に適しています。自社に設置しますので、スキャンが必要な際にすぐ作業できますし、原稿を社外に持ち出す必要もありません。
また、A1サイズまでスキャンできるスキャナであれば、A2サイズなどそれ以下のサイズのものもスキャンできますので、1台あれば、様々なサイズに対応できます。
デメリット
大判スキャナの場合、通常の複合機とはスキャン方法も異なり、取り扱いが難しい場合があります。特にA1の場合は原稿サイズも大きく、綺麗にスキャンできるようになるまで時間がかかります。
また、デスク一つ分とご紹介しましたが、あまり場所に余裕のないオフィスでは、A1サイズがスキャンできるスキャナを置こうとすると、かなり大きく感じるかもしれません。月々数千円からレンタルできる一般の複合機と比べるとレンタル代も高額ですが、スキャンとコピー以外の機能は無く、複合機のようにFAXやプリンターを兼ねることはできません。
A1サイズ対応のスキャナを購入する
方法と価格
A1サイズ対応のスキャナを購入することもできます。サイズ感は、レンタルで記載した通りデスク1台分ほどです。価格は、新品であれば20万円程度から、中古品は状態によって変わりますが、状態が良い物でも12万円程度で購入でき、数万円で販売されているものもあります。ただ、販売店の保証がないものは、不調が出ても修理費が高額になる場合があります。すぐにスキャンできなくなる可能性もあるので、注意が必要です。
メリット
大きなサイズのものをスキャンするための専門機械ですので、細かい図面などであっても、正しい方法で使用し作業に慣れてくれば、綺麗にスキャンすることができます。
また、社内に設置しますので、必要な時にいつでも、すぐにスキャンが可能です。
デメリット
レンタルと同様ですが、大判スキャナは取り扱いが難しい場合があります。A1の場合は原稿サイズも大きくスキャンしにくいため、綺麗にスキャンできるようになるまで時間がかかることがあります。
また、業務用デスクと同じようなサイズですので、やはりサイズは大きく感じるかもしれません。レンタルに比べると、購入する際の機械の代金が高額です。長く使用する場合には購入も良いと思いますが、頻繁に使用しないのであれば、別の方法が良いかもしれません。レンタルとは異なりメンテナンス費用がかかる上、故障した時には修理費も発生します。
A1スキャンを業者に依頼する方法3選
自分でスキャンを行うのに対し、スキャンを業者に依頼する方法もあります。専門のスキャナを使用して技術者がスキャンを行うため、どの依頼方法をとっても綺麗なデータを受け取ることができます。大量にスキャンしたいものがある場合や、細かい文字を読み取る必要がある図面などは、専門の業者への依頼がおすすめです。しかし、社外にスキャンを依頼することになりますので、セキュリティ体制の整った企業を選定することが重要です。
原稿を持ち込んで依頼する
方法と価格
A1スキャンを持ち込みで依頼する場合は、店舗を持って営業している業者に原稿を持ち込んで依頼したり、スキャンサービスを行う業者の受け付け窓口に持ち込んで依頼したりできます。
スキャンの価格は、解像度の違いやカラーかモノクロかといった違いで異なりますが、例えばカラー200dpiでA1の場合1ページ350円程度、300dpiの場合350円~450円程度です。依頼枚数や納期などによって、価格を変えている業者もあります。
メリット
A1スキャンは、原稿が大きくスキャナも専用の特殊なもののため、綺麗に仕上げるには熟練が必要です。業者の場合、スキャニングに慣れた作業者が作業する場合が多く、データの仕上がりが綺麗です。また、持ち込んだ場合、配送や手配に時間がかかる他の方法に比べて短時間で納品される可能性があります。店舗などでは、データをすぐに持ち帰れるサービスを行っているところもあり、スピーディにスキャンできます。
デメリット
近隣に業者があれば持ち込みは簡単ですが、近くに業者が無ければ、車で長距離を移動したり、大きな原稿を持って公共交通機関で移動したりと、手間や時間がかかります。
また、スキャンしたいものが大量にある場合、手で運べる量にも社用車で運ぶ量にも限界があるため、一度で持ち込みきれず何度も往復するなど、持ち込みに苦労する場合もあります。
セキュリティ面でも、社員が持ち出すとはいえ書類を社外に出すことになりますので、会社の規定で依頼が難しい場合や、不安を感じることがあるかもしれません。
原稿を宅配便で送って依頼する
方法と価格
業者に依頼する場合、原稿を宅配便で送って依頼するのが最も一般的な依頼方法です。A1サイズの冊子状のものや、ある程度の枚数がある場合、160サイズで厚み10㎝程度まで送ることができます。また、ポスターや枚数が少ない図面などは、丸めて筒状のケースに入れての送付も可能です。
価格は、1枚の価格は持ち込みの場合と変わりませんが、業者に送る場合の送料と返送料がかかる場合が多いです。
メリット
発送するだけで依頼できるので、社員の手間をかけずにスキャンすることができます。機械などを自社に置く必要も無いので、勿論場所もとりません。また、持ち込みと同様プロが作業するので、綺麗な仕上がりですし、破れなどの原本の破損や、飛びなどのミスのない作業が期待できます。
さらに、枚数によって納期に変化はありますが、枚数が多くても依頼可能なので、自社では人員の不足などで作業が難しい量であっても、確実にスキャンすることができます。
デメリット
宅配を使って業者に書類などを送るため、セキュリティ面での不安が発生します。また、持ち込みに比べると、依頼時も原稿を発送するので時間が1日余分にかかりますし、データをCD納品など記録媒体に保存する方法を選択した場合、原本と共に送り返されてくるため、データを入手するまでに時間がかかる可能性があります。
スキャン代行業者の出張サービスを利用する
方法と価格
出張サービスは、自社にスキャナが設置され、スキャンを行う専門の作業員が派遣されてくるサービスです。セキュリティの規則が厳しく、社外に書類を持ち出せない場合なども、業者にスキャンを依頼できます。作業員の時給やスキャナのレンタル代や発送代などが通常のスキャンの費用に加算されますので、通常の大判スキャンに比べると費用は高額です。
メリット
第一に、社外に書類や図面を出さなくても良いのが利点です。機密保持の観点から外部に持ち出せない書類もスキャンできます。また、発送や持ち込みなどに社員の手間をかけずに済むのも利点でしょう。さらに、社内で作業を行っていますので、仕上がりをその場で確認することができます。スキャンを行いづらい青写真の図面などでも、仕上がりを確認して、スキャンの仕上がりを指定することができます。
デメリット
作業者が派遣されるため、通常の大判スキャンの料金に比べると、金額がかなり高額になることがあります。また、A1サイズでもスキャンできるスキャナが自社に設置されることになりますので、作業員の作業場所とあわせて、ある程度大きな場所が必要となります。
精度が必要な図面スキャンなどは業者の利用がおすすめ
A1スキャンは原稿が大きく、綺麗にスキャンするには技術や設備が必要になります。専用のスキャナなどの用意をするには費用がかかるので、スキャンの必要な原稿の枚数があまりなく、細かい図面のスキャンなど精度が必要なスキャンを行いたい場合は、専門の業者を利用した方が綺麗なスキャンが安価にできるのでおすすめです。
またスキャナの問題だけでなく、スキャンを社内で行おうとすると、目に見えるものではありませんが、どうしても人件費がかかります。社員が慣れてミスなくスキャンができるようになるには時間がかかるので、コンスタントに原稿が発生する企業など特殊な条件でなければ、人件費をかけるよりも、プロのサービスを利用した方が結果的に安価にスキャンを行うことができます。
枚数が少なく品質にも拘らないという場合は、安く自社でスキャンを行うことを検討しても良いかもしれませんが、後で詳しい内容を参照する可能性があるなど、品質を保ってスキャンを行いたい場合は、業者へ依頼することをおすすめします。
A1サイズの図面スキャンに対応するシティコンピュータの大判スキャンサービス
シティコンピュータの大判スキャンサービスも、A1サイズのスキャンにも対応しています。
高性能スキャナを備えていますので、上向きのまま原本を傷めずにスキャンできます。また写りにくい製本資料の中央部分もくっきり撮影できるため、製本図面なども断裁せずにスキャン可能。図面のスキャンに最適なサービスです。
通常価格はA1サイズのカラー、200dpiで380円ですが、初回は1枚200円で提供いたしております。最低発注料金を設定していないので、少数枚数でもご依頼いただけます。
料金はご依頼の数量や納期、原本の状態や前処理などのオプションの有無などによっても変わりますので、概算見積もりが便利です。お気軽にご相談ください。