公開日:2023/02/14
(最終更新日:2024/02/07)
A2サイズの書類をセルフスキャンする方法5選
A2サイズの書類やポスター類をスキャンし、データ保存したいと考えたことはありませんか?通常の複合機などでは対応していないサイズなので、苦労をした経験がある方も多いのではないでしょうか。写真で撮影したが、ピントが合っておらず詳しい内容が読めなかったというエピソードを聞くこともあります。今回は、セルフで行うシート状のA2サイズ原稿のスキャン方法をご紹介します。
A2サイズとは?
A2サイズはどんなサイズでしょうか。長さで示すなら420×594mmの長方形です。
紙のサイズにはA版とB版があり、A版はドイツで作られた規格で現在は国際基準です。B版は日本の美濃紙のサイズを元に作られた日本独自の規格で、A版よりも少し大きめなのが特徴です。最近は日本でもA版が多く使用されるようになってきました。
A版の規格は、面積が1平方メートルの縦横の比率が1:√2の長方形であるA0が基準です。A2はその1/4のサイズです。ポスターや掲示用パネルでよく見かけます。
A版サイズ:A0〜A6
A0サイズ | 841mm × 1189mm |
---|---|
A1サイズ | 594mm × 841mm |
A2サイズ | 420mm × 594mm |
A3サイズ | 297mm × 420mm |
A4サイズ | 210mm × 297mm |
A5サイズ | 148mm × 210mm |
A6サイズ | 105mm × 148mm |
A2サイズをセルフスキャンする方法5選
セルフスキャンとは、自分でスキャンを行うことをいいます。
原稿を持ち込んでセルフスキャンを行うことのできるサービスをセルフスキャンサービスと言いますが、それ以外に、自社でスキャンを行うこともセルフスキャンです。
今回は、A2サイズの原稿をセルフスキャンする方法を5種類紹介します。
A3サイズで2回スキャンして画像編集ソフトで合成する
方法と価格
A3サイズまでは、コンビニなどに置かれている複合機や、企業に設置されている複合機でもスキャン可能です。そこで、A2サイズはA3サイズの二倍の大きさなので、身近にあるA3までの複合機で原稿を二度に分けてスキャンし、後で画像編集ソフトを使用して合成します。180度回転はソフトで簡単にできるので、縁を合わせてまっすぐスキャンすることが、綺麗に仕上げるコツです。
かかる費用は、無料の画像編集ソフトを使用するなら、外部の複合機を使用する場合のスキャン費用程度です。
おすすめの画像編集ソフトは以下の通りです。
おすすめの画像編集ソフト
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ペイント
Windowsアクセサリに入っているペイントは、WindowsのPCに最初からインストールされているソフトです。一枚目を開いてから配置でもう一枚を配置するだけで、比較的簡単に画像を合成することができます。無料にこだわるならまず試してみたいソフトです。
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Adobe PHOTOSHOP EXPRESS EDITORhttps://www.adobe.com/jp/products/photoshop-express.html
有名なAdobe Photoshopのオンラインツールです。できることは限定的ですが、二枚の画像データの合成なら全く問題ありません。もちろん、本家Photoshopが導入されている企業であれば、そちらの使用がおすすめです。
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PhotoDirector Essentialhttps://jp.cyberlink.com/downloads/trials/photodirector-photo-editing-software/download_ja_JP.html
CyberLink社が提供する写真編集ソフトです。こちらはEssential版なので無料でダウンロードできます。コラージュ機能や合成機能で簡単に合成が可能です。
メリット
ほとんど費用がかからない点が、最大のメリットです。PCと複合機があれば自社内で作業可能、スキャナが無い場合は近くのコンビニなどでもスキャンできるので手軽です。
デメリット
複合機は大判書類専用のスキャナではないため、画像の精度があまりよくありません。2枚を合成した時に、色の差が出たり、ゆがみが出たりする可能性もあります。また、スキャンして合成するため工程が多く、専用の機械に比べて時間がかかる点もデメリットです。さらに、画像ソフトを使用できることが前提となりますので、そういったソフトウェアの使用に長けた社員がいない企業の場合は別の方法が良いかもしれません。
スマホアプリでスキャンする
方法と価格
スマホのカメラを使用してスキャンを行うアプリがあり、無料でスキャンできます。壁などに貼って影が出ないようにし、正面から撮影するのがおすすめです。写真のゆがみを自動で補正する機能があるアプリもあります。PCの画像編集ソフトの方が使い慣れている方は、スマホでスキャンした後、PCで画像の補正を行っても良いです。
この方法も、無料アプリの使用を原則としており、あまり費用はかかりません。
おすすめの画像スキャンアプリは以下の通りです。
おすすめの画像スキャンアプリ
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iPhone メモアプリ/ファイルアプリ
iPhoneに標準搭載されているアプリです。実は、書類をスキャンする機能がついており、撮影してPDFなどにすることができます。同様に、ファイルアプリのメニューからも書類をスキャンという機能を使用することができ、ファイル内にPDFとして保存されます。
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Google ドライブアプリhttps://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.apps.docs&hl=ja&gl=US&pli=1
AndroidやiPhoneから利用できるアプリです。こちらにも、スキャンという機能が付属しており、書類のスキャンが行えます。
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フォトスキャンhttps://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.apps.photos.scanner&hl=ja&gl=US
Googleが提供している写真をスキャンするためのアプリです。画像をデータ化するのであれば、光の反射やゆがみなどを自動で補正してくれるのでおすすめです。JPEG方式で保存される点も便利です。
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Adobe Scanhttps://www.adobe.com/jp/acrobat/mobile/scanner-app.html
Adobeのスキャンアプリです。ホワイトボードなどを撮影する想定もされているため、比較的大きなものでも読み取りやすいのが特徴です。保存形式はJPEGやPDFです。
メリット
無料のアプリを使用しますので、カメラ機能付きのスマホがあれば、手軽にトライできるのが利点です。お金をかけたくない時にまず試してみたい方法です。
デメリット
スマホカメラの特性上端の方はゆがみが出やすくなっています。アプリにゆがみや反射を補正する機能が付いているものがありますが、文字が読み取れない程度の補正しか行えない場合もあります。
セルフサービスの利用
方法と価格
セルフスキャンの方法として、専門機器を使用したセルフサービスを利用する方法もあります。コンビニの複合機で提供されているセルフサービスもありますし、複数の複合機や専用機器が置かれたセルフサービス専門の店舗もあります。こういったセルフサービス専門店舗では、大判スキャンに対応した専用スキャナが置かれている場合があります。特殊なものは店員に依頼するシステムになっている店舗が多いですが、A2サイズであっても、スキャナを自分で操作してスキャンを行えるようになっている店舗もあります。
A2セルフスキャンが可能な店舗の一例(2023年2月現在)
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kinko’s 銀座一丁目店・汐留店https://www.kinkos.co.jp/news/cp-self-large-format-scanner/
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プリントハウス 時計台ビル店https://sapporo-print.com/self-service/mono/
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セプリ大宮https://sepuri.com/
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有限会社古田商会https://www.furuta-oa.jp/
メリット
セルフスキャンの場合、すぐにスキャンデータを持ち帰れるので急いでスキャンをしたい場合に便利です。また、セルフスキャンの方が、スキャン代行業者などに依頼するよりも代金が安くなることが多いです。
デメリット
大判スキャナを利用した経験の無い方には、セルフスキャンに苦労するかもしれません。原稿を傷めてしまったり、スキャンに失敗したりすることもあります。
また、セルフサービスでも大判用のスキャナを置いている店舗は少なく、コンビニなどにはもちろんありません。サービスを行う店舗のある地域の企業でないと、移動距離が長くなり気軽に利用できません。
さらに、社外に書類を持ち出す点も、セキュリティ対策に力を入れている企業にはデメリットかもしれません。
A2サイズに対応したスキャナをレンタルする
方法と価格
スキャンしたいA2サイズの書類や図面が多数ある場合や、頻繁にスキャンが必要になる場合には、A2サイズのスキャンが可能なスキャナをレンタルするのも良いかもしれません。月額2万円ほどでレンタルできる場合もあります。レンタルしたスキャナは、自社に設置することになりますが、最近はスキャナも小型化してきており、デスク1台分程度の場所があれば、設置可能な機種がほとんどです。
レンタルを行っているのは下記のような業者です。
A2サイズに対応したスキャナをレンタルしている業者
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リコージャパン株式会社https://www.ricoh.co.jp/solutions/category/rental.html
スキャナを多く製造しているリコーのレンタルサービスです。メーカーのサービスですので、機器の状態などで安心できます。
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大塚商会https://www.otsuka-shokai.co.jp/
オフィス機器のレンタルでは定評のある業者です。リースなども相談できます。メンテナンスなどのアフターケアの体制に優れています。
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株式会社フジテックスhttps://rental-e.com/
OA機器のレンタルなどを手がける業者です。比較的安価でのレンタルが期待できます。
メリット
大判対応可能なスキャナですので、一度スキャン方法を覚えれば、綺麗なスキャンが可能になります。図面などの緻密なものや後から内容を確認するものをスキャンする場合にも適しています。自社に設置するため、スキャンが必要な際にすぐ作業できますし、原稿を社外に持ち出す必要もありません。
デメリット
大判スキャナの場合、通常の複合機とはスキャン方法も異なり、取り扱いが難しい場合があります。
また、場所に余裕のないオフィスでは、A2サイズ用のスキャナを置くと、かなり大きく感じるかもしれません。
A2の場合、複合機、プリンタースキャナ、スキャナのみなどレンタルする機器に複数の選択肢がありますが、通常のサイズに比べると高額ですし、できることが多くなるほどレンタル代も高額になります。
A2サイズに対応したスキャナを購入する
方法と価格
A2サイズにも対応するスキャナを購入することもできます。サイズ感は、レンタルで記載した通りデスク1台分ほどです。デスクや棚に置くタイプの商品もあります。価格は、新品であれば4、5万円程度から、中古品は状態によって変わりますが、数万円で販売されているものもあります。ただ、中古品の場合、販売店の保証がないものは不調が出ても修理費が高額になる場合があります。すぐにスキャンできなくなる可能性もあるので、注意が必要です。
A2スキャナについては、下記のようなものがあります。性能によって価格が大きく異なります。
A2サイズに対応したスキャナ
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コンテックス IQ FLEXhttps://contex.com/jp/product/iq-flex-large-format-flatbed-scanner/
A2サイズのフラットベッドスキャナです。高精細で、詳細な図面などのスキャンにも対応する高スペックスキャナです。金額は115万円(税別)程度。
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HP DesignJet T830 MFP プリンターhttps://jp.ext.hp.com/printers/large-format-printers/designjet/t830/
A1サイズのプリンターとスキャナが一体になった機械です。金額は30万円(税別)程度。スキャンではある程度の精度が出る上、プリンターにもなるため、使い勝手の良い一台です。
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サンワサプライ スタンドスキャナ 400-CAM088https://direct.sanwa.co.jp/ItemPage/400-CAM088
1年前に発売されたばかりの機種です。A2まで対応、シート状のものだけでなく、本などもスキャン可能で44,800円(税込)とお手頃価格ですが、画素数が低いので、手軽にA2サイズまでをスキャンしたい方向けです。
メリット
A2サイズをスキャンできる大判スキャナですので、ある程度の画素数のものであれば、スキャン方法さえ覚えれば手間無く綺麗なスキャンが行えます。
また、社内にスキャナが設置されるため、必要な時にすぐスキャンできます。
デメリット
レンタルの場合と同様に、大判スキャナは取り扱いが難しい場合があります。
また、通常のスキャナやプリンターに比べれば大きいため、場所に余裕のないオフィスには圧迫感があるかもしれません。A2サイズであれば机上に設置できるタイプも多いので、購入時は置き場所を考慮した方が良いでしょう。購入の場合、メンテナンス費用がかかる上、故障した時には修理費も発生しますので、中古の場合は特にその点も心配です。
精度が必要な図面スキャンは業者の利用がおすすめ
A2スキャンは原稿が大きく、綺麗にスキャンするには技術や設備が必要となります。設備を準備するのは高額になる場合が多いですし、スキャンを行うための人件費もかかってきます。スキャン枚数があまり多くなく、精度が必要な図面スキャンを行いたい場合などは、スキャン代行業者を利用した方が結果的にはお得にスキャンができます。
業者選びの3つのポイント
最新スキャナや専門の技術者を置いている業者
図面をスキャンするなら、綺麗な仕上がりが第一条件です。
スキャナの性能は日々進化していますので、新しく優れたスキャナを導入していれば、それだけ綺麗な仕上がりが期待できます。また、専門の技術者がスキャンを行う業者を選べば、ミスもなく、仕上がりも綺麗だと考えられます。
そこで、最新のスキャナを持ち、専門の技術者がスキャンを行う業者がおすすめです。
セキュリティのしっかりした業者
書類や図面など、大切なデータを預けるため、スキャン代行を依頼するならセキュリティ対策をしっかり行っている業者を選びたいです。
セキュリティ対策を徹底しているかどうかは、セキュリティマークやISMS認証を取得しているかどうかで、ある程度見分けられます。取得したら終わりではなく、定期的に基準に適合しているかどうか審査されているので安心です。取得している場合は業者のWEBサイトなどに掲載されていますので、確認してから依頼を検討すると良いでしょう。
オプションサービスが豊富な業者
大判資料を扱う企業の場合、場所をとるスキャン後の資料の保存方法にお悩みではないでしょうか。そんな時には、オプションサービス豊富な業者がおすすめです。
保管サービスや仕分けサービスを行っている業者に依頼すれば、電子化だけでなく、保管の問題が一挙に解決できます。セキュリティ対策から確実に原本を廃棄したいという場合には、溶解処理による廃棄サービスを行っている業者もあります。
提供されているオプション内容もぜひ検討の材料にしてみてください。
社外に持ち出せない資料や図面は出張スキャンの利用がおすすめ
セキュリティの観点から社外に資料や図面を持ち出さない企業には、出張スキャンの利用がおすすめです。
出張スキャンは、自社内に専用スキャナを設置し、専門の作業員がスキャンを行うために派遣されてくるサービスです。社外に資料を持ち出すことなく、業者にスキャン代行を依頼できます。
作業員の時給やスキャナのレンタル代やスキャナ設置のための費用が通常のスキャンの費用に加算されますので、通常の代行サービスに比べると費用は高額です。しかし、セキュリティの問題をクリアできる点、その場ですぐスキャンデータを確認できて作業がスピーディな点、作業の順番などを指示して必要なものから作業できる点などメリットも多く、出張サービスを利用する企業も多いです。
A2サイズの図面スキャンに対応するシティコンピュータの大判スキャンサービス
シティコンピュータでも、A2サイズに対応した大判スキャンサービスを行っております。
大量のスキャンにも対応できる高速撮影が可能な高性能スキャナを導入していますので、上向きのまま原本を傷めず、高精細にスキャンできます。写りにくい製本資料の中央部分もくっきり撮影でき、シートだけでなく、製本図面なども断裁せずにスキャン可能です。細部までくっきりスキャンしたい図面のデータ化に最適です。
通常A2サイズのカラー、200dpiで260円ですが、初回限定料金1枚150円でスキャン可能です。最低発注料金を設定していないので、少数枚数でもご依頼いただけます。
料金はご依頼の数量や納期、原本の形状や状態、オプションの有無などによって変わりますので、ぜひ概算見積もりをご利用ください。お問い合わせもお待ちしております。