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対面でのやり取りや押印不要!ニュースタンダードに対応する電子契約(後編)

みなさん、こんにちは。先週はまだまだ寒いと思っていたのですが、日差しを暖かく感じたり、木に小さな芽が出ていて、春が近いのかもと感じられることも出てきました。

前回から、電子契約についてご紹介しています。前編では、電子契約のしくみなどを取り上げましたが、今週は、電子証明のしくみや、実際に電子契約を始める方が感じやすい疑問について、いくつか取り上げてみたいと思います。

電子署名とは

電子契約で必要とされる電子署名は、電子データに付与する電子的な証明です。その文書が署名者本人のもので、内容が改ざんされていないことなどを証明します。紙の契約の押印の役割を担うものです。

電子署名は複数の方法があり、電子契約サービスを行う会社が提供するサービスを用いて行うか、電子認証事業者が発行する電子証明書を用いて行います。電子証明書を用いた方式の方がより信頼度が高いとされていますが、電子契約を利用する企業の増加に伴って、様々な高度な認証力を持ったシステムが各社によって開発されており、ある程度簡便に、法的効力もあり、信頼性の十分ある電子署名を行うことが可能となっています。

電子証明書を用いたシステム

電子証明書はデータ上の身分証明書のようなもので、信頼のおける第三者機関である「電子認証局」によって発行されます。

契約を行う際には、契約書の電子データとともにこの電子証明書と暗号化された情報を元に戻すキーが送られてくるので、送られてきた証明書の内容が正しいことを、電子証明書を発行した機関に確認後、確認が取れれば送られてきた解凍のためのキーを使用して電子ファイルを開きます。

このキーは、暗号化を行うためのキーとセットになっており、暗号化を行うためのキーは、作成者のみが所持しています。こうして、送られてきた電子ファイルは、改ざんなどがされていないことが証明されます。

電子契約サービスを行う会社が契約内容を保証するシステム

電子証明書を用いたサービスではプロセスが複雑なため、簡単に電子署名を行えるサービスが増えています。利用者は、電子契約サービスを行う会社のツールから送られてきた書類の内容を確認し、「認証」などの電子署名をクリック等で行うことで、簡単に契約を行うことができます。

契約内容は電子契約を行う企業の電子証明書が付けられたうえでサーバー内に保管されます。署名者が本人であること認証する方法は、メールアドレスを使用する方法、パスワードを使用する方法等様々ですので、安全なシステムを選択し、署名者の本人性を高めて導入する必要があります。

また、発行者のみが署名を行い、相手方は内容の確認だけを行う形式の電子契約を行う場合もあります。人材派遣等の通知型契約書で多く採用される他、届け出書類などでの活用が期待されます。

法的効果はあるのか?

契約がインターネット上で行えることは分かったけれど、法的に効力が認められるのかと心配する方もいらっしゃるでしょう。法的効果の根拠となるのは、「電子署名及び認証業務に関する法律」です。

”電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(中略)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(中略)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。”

(出典:e-Gov法令検索「電子署名及び認証業務に関する法律」より

と規定されており、電子署名が、なりすましが行われておらず、改ざんが行われていないことを証明していれば、電子契約も通常の契約と同様に成立していると見なされます。署名押印した書類と同様の効力が発生します。

また、最近はそこにタイムスタンプを添付するケースが増えています。これは、契約が行われた日時を証明するもので、以前に結ばれたものでないことなどが証明できます。

電子契約のメリット・デメリット

メリット

電子署名やタイムスタンプを添付することによって、法的にも高い証拠力が得られるようになった電子契約ですが、使用すると複数のメリットがあります。

まず、印紙税を納付する必要がないことです。契約書など定められた書類を作成すると、書類によって定められる印紙を貼り付けることで、印紙税を支払います。しかし、法律では書類を作成することを

”法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。 ”

(出典:国税庁「印紙税法基本通達 / 第7節 作成者等」より)

と定めており、“紙に記載することを作成”と定義しているため、データを送信して締結する契約には、印紙税が必要ないと考えられています。今後、電子契約が一般的になると、法改正が行われることも考えられますが、今のところは印紙税を支払う必要はなさそうです。

さらに、郵送でのやり取りや書類作成にかかる経費や時間なども削減できるため、特に同一内容の契約書を複数送付している場合などは、大きなコストダウンが期待できます。

法的な要素をチェックする機能が付いた電子契約サービスもあり、コンプライアンスの観点からも強化が図れます。

また、これまで電子契約の導入が進まなかった自治体でも電子契約の導入がはじまりつつあります。弊社でも、ある自治体へ申請書を提出する際に、先方に許可をいただき、電子契約で提出を行いました。遠隔地であったため郵送すればかなり時間がかかる見通しでしたが、申請を電子契約で行った結果、提出から承認まで4日間に短縮できました。

今後さらに電子契約の活用方法は広がり、業務効率化に貢献すると考えています。

デメリット

一方、デメリットも発生すると考えられます。まずは、電子契約に難色を示す方がまだまだ存在するということ。取引先との契約などで取り入れようとした際に、電子契約は面倒だと言われてしまうことや、対応するPCやタブレットを導入していないとの理由から、切り替えを拒まれるケースもあるようです。取引先の状況を鑑みて導入を検討することも必要かもしれません。

また、月額料金を設定している電子契約サービスが多く、月の契約件数が少ない企業は、導入してもコストダウン効果が低い場合も考えられます。使用するための設備が整っていない場合なども、初期投資費用がかさむため、あまりお勧めできません。

電子契約サービスの導入を検討するなら

自分の会社で導入して、メリットがどの程度あるのか分からない、そんなときには、様々な電子契約サービスをご提案できる会社に相談してみてはいかがでしょう?シティコンピュータでしたら、複数の企業と連携しておりますので、お客様のご要望に沿った電子契約サービスをご提案させていただきます。

シティコンピュータ独自の印影作成サービス

電子契約で大きく変わったことが印影に制限がなくなったことです。契約が真正であることを保証するのは電子契約では印影でなく、電子証明書になりました。したがって、印影画像を契約書に添えないサービスもあります。そう、印影は電子契約では必要のない装飾物になりました。このまま印影はなくなってしまうのでしょうか?

いえ、シティコンピュータはむしろ電子契約で印影は会社ブランドを発信できる機会を得たと考えます。今までは赤白と会社名・役職名の表現しかできませんでしたが、これからは会社ロゴ・企業キャラクターを利用したカラフルなデザインの印影も使えるようになります。

契約とはこれからのお付き合いで結ぶもの。

大事な場面に印影を使って会社ブランドを発信されてみるのもお勧めです。弊社ではお使いになるお客様それぞれのご意向に沿ってデザイナーが電子契約の印影を作成いたしますので、一度ご検討されてみてはいかがでしょうか?

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