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データ化業務/ スキャニング/ 2022.11.22 2024.04.16

大量書類のスキャンサービスおすすめ選定ポイント5選

法律の改正やリモートワークの普及などで、電子化を行いたい書類が大量に発生している企業が多いようです。例えば働き方改革を行った企業では、オフィスの縮小を予定する場合も多く、書類の保存方法は問題に上がりやすくなっています。
電子化が進んできている昨今、紙の契約書や見積書、請求書、領収書など、保管が必要な期間が残っている書類は、スキャンを行いデータとして利用できるようにした上で、紙の書類は別途まとめて保管するのが便利です。
そこでこの記事では、スキャン予定の書類が多い企業におすすめのスキャンの方法をいくつか比較検討し、その上でスキャン代行サービスを選ぶ場合に便利な比較のポイントをご紹介いたします。

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大量の書類をスキャニングする方法3選を徹底比較

スキャンしたい書類が大量にある場合には、書類の持ち運びが必要となるセルフサービスなどではなく、環境の整った場所でスキャンを行う、以下の3つの方法がおすすめです。

大量の書類をスキャニングする方法3選

それぞれのメリットやデメリット、価格の詳細をあげた上で比較していきます。

1.自社でスキャンを行う

自社内にスキャナーを用意し、既存の社員がスキャンを行う方法です。スキャンを行う書類のサイズや、求める電子データの精度などによって、必要なスキャナーが変わってきます。対応する社員の負担が大きい方法です。

自社でスキャンを行うメリット

自社でスキャンを行う最大のメリットは、資料を社外に持ち出さずに済むことです。
機密事項の記載がある書類を社外に出すのは、セキュリティの観点からリスクがあります。セルフサービスの機械の中に原稿を忘れてきてしまったという経験を持つ方もいるかもしれません。誰かに見られてしまうなど、情報の流出を防ぐために、自社内で行うのは最良の方法です。
また、自社で作業を行うのであれば、今現在稼働しているプロジェクトの書類や、今度の決算に必要な書類など、いち早くデータ化して使用したい書類を選んで先にスキャンできます。

自社でスキャンを行うデメリット

デメリットは、スキャンミスの発生の危険や、作業に時間がかかることです。
作業を行う方が自社の社員ですので、専門の技術者ではありません。オートフィーダーを用いてスキャンを行った結果、一部が裏向きのままスキャンされていたといった事例もよく聞きます。その場で気づけば良いですが、気づかずに原本を破棄すれば、情報が失われてしまいます。
作業スピードも、慣れた専門技術者に比べるとかなり遅くなるため、想定よりスキャン作業に時間がかかる例も多いです。
また、慣れない作業を失敗せずに行うというプレッシャーが常にかかり、社員の負担が大きいことも予想されます。単調で根気の要る作業ですので、不向きな社員にとっては、辛い仕事になるかもしれません。

自社でスキャンを行う場合の費用

自社の複合機で行う場合もありますが、スキャン業務で長時間占有してしまい、コピーなど他の作業に使いづらくなります。複数台無い場合にはスキャナーを用意した方が良いでしょう。大判資料をスキャンする場合にも、専門のスキャナーが必要です。
レンタルの場合、サイズや性能によって異なりますが、1ヶ月5,000円~2万円程度かかります。購入の場合、A3サイズまでなら約5万円からですが、大判対応の場合は約20万円からです。高額になるほど、スキャンスピードは速くなるため、書類の枚数が多い場合、あまり安価な物でない方が良いでしょう。
また、スキャナーを設置する場所が必要ならば場所代がかかりますし、担当する社員の人件費も費用となります。

2.別途人員を雇う

リソースに余裕が無い場合、スキャンを行うための人員を新しく雇用する必要があります。スキャニングを行う期間がある程度限られる場合、アルバイトやパートタイムなどでの短期の臨時雇用や、派遣会社に依頼して派遣社員を用意するなど、雇用方法はさまざまです。

人員を雇ってスキャンを行うメリット

自社でスキャンを行う場合と同様に社内でスキャンを行いますので、機密書類を自社から出すこと無くスキャンでき、セキュリティ上は安心です。先に作業を行う書類を選べるメリットも、自社でスキャンを行う場合と同様です。
また、人員を新たに雇う場合、既存の社内リソースを使用しないこともメリットです。スキャン作業に慣れていない点では新たに雇用した社員も自社社員と変わりませんが、担当する業務のある自社社員を煩わせません。
さらに、仕事内容を見て単純作業の好きな方が応募する可能性も高く、前もって分かっている仕事内容ですから、元からの社員よりも不満も無く作業できるでしょう。

人員を雇ってスキャンを行うデメリット

デメリットも、自社でスキャンを行う場合と同様でスキャンミスの発生の危険や、作業に時間がかかることです。新たに雇用するといっても、スキャニングの専門技術者が見つかる可能性は低く、作業の遅れや失敗のリスクはついて回ります。
さらに、どのような人員が確保できるか分かりませんので、作業スピードが雇用前に予想できない点も問題です。作業終了までの期間が読みにくく、雇用期間も読めないため、スキャン作業開始前にかかる費用を試算しにくいというデメリットがあります。

人員を雇ってスキャンを行う場合の費用

まずは、担当する新しい人員の人件費です。アルバイトやパートタイマーとして雇用すると少なくとも時給1,100円程度、派遣会社などを利用した場合には、時給1,500円程度必要となります。さらに、雇用のためには求人や入社手続きなどで費用が発生します。
自社でスキャンする場合と同様にスキャナーの費用もかかります。既存の複合機などで足りない場合には、レンタルの場合1ヶ月5,000円から2万円程度、購入の場合A3サイズまでなら約5万円からですが、大判対応の場合は約20万円からの費用がかかります。
また、スキャナーを設置する場所も必要ですので、オフィスに設置した場合目に見える出費ではありませんが、新たに設置すれば場所代もかかっていることになります。作業にかかる期間、それらの費用がかかりますし、スキャナーを購入した場合には、設置した場所代は作業が終了した後もかかりつづけます。

3.スキャン代行サービスに依頼

スキャン代行サービスは、宅配便や引き取りなどでスキャンサービスを行う業者に資料を預け、後日スキャンデータを納品してもらうサービスです。まとまった日数がかかりますが、社内のリソースを使用したり、新たに人員を雇ったりすること無く、スキャン作業を終えられます。

スキャン代行サービスを利用するメリット

スキャン代行サービスの場合、専門の技術者が作業を行いますし、用意されているスキャナーも高品質ですので、スキャンデータが鮮明かつスキャンミスがありません。また作業スピードが速く、結果的にデータが揃うまでの時間が自社で作業するよりも早いです。
また、自社でスキャナーを用意する必要もなく、リソースを割く必要もありません。かかる費用は、基本的にサービスを利用する料金だけです。
さらに、付帯サービスを利用できます。資料をスキャン前の状態に戻す原状復帰や、テキストを文字データに起こすOCR処理、原本資料を保管する保管サービスなど、代行業者によってさまざまなサービスがあります。セキュリティを重視する企業向けに、出張サービスを展開している代行業者もあり、作業者が派遣され、スキャナーを持ち込んで社内でスキャンを行ってくれます。

スキャン代行サービスを利用するデメリット

一式で依頼を行いますので、この種類の書類を先に作業して欲しいといった融通が利きにくいというデメリットが挙げられます。納期までデータを使用することができないので、急いでデータが欲しいという場合には不向きです。ただし、根本的に作業が早いため、自社で少しずつ行うより早く必要なデータができたという例は多いです。
セキュリティ上のデメリットとしては、社外に資料を出す必要があることが挙げられます。サービスを提供する業者もセキュリティ対策は行っていますが、宅配などで資料を搬入するケースが多く、盗み見や紛失、盗難などのリスクはある程度発生します。
出張サービスなど、技術者が社内でスキャン作業を行うサービスもありますが、スキャナーを置く場所が必要になるといった作業場所の問題は発生します。

スキャン代行サービスの利用料金

スキャン代行サービスの料金は、サイズ、枚数、解像度、形態、作業量、付帯サービスの有無によって大きく異なります。スキャンの料金はA4サイズですと1枚5円程度からありますが、詳しい料金は見積もりを行ってからという代行業者が多いです。
枚数が多いほど、1枚当たりのスキャン料金は安くなる傾向があります。また、サイズは大きくなるほど料金は高く、解像度も高いほど値段が上がります。ホッチキスを外すなどの資料を整える作業があると、1作業あたりの追加料金がかかる場合が殆どです。
さらに、付帯サービスを付けるとその分価格が上がります。保管サービスの他、複製が欲しい場合の印刷作業などを付帯サービスとして行っている代行業者もあります。

 

大量の書類をスキャニングするなら、スキャン代行サービスがおすすめ

大量の書類をスキャニングする場合に考えられる3つの方法をそれぞれご紹介しました。
重要な項目ごとに表にすると、以下の通りです。

大量の書類をスキャニングする方法3選 比較表
やはり、専門の技術者が作業を行う分仕上がりが良く、作業期間も少なくて済みます。

大量の書類をスキャニングするとして、シミュレーションしてみました。

〈A4サイズ10万枚の場合〉
スキャン代行サービスなら単価5円としてトータル50万円です。納期も、1ヶ月まではかからないでしょう。
一方、自社で行う場合、1分間に5枚スキャンできるスキャナーを用意したとして、1時間に300枚程度、セッティングの時間や連続稼働が難しいことを考えると、1人でできるのは多くても1日1,200枚程度です。
スキャン終了までに4ヶ月以上かかりますので、時給1,100円のアルバイト社員でも少なくとも賃金は75万円、派遣社員や自社社員と考えれば人件費は100万円以上となり、スキャナーの費用や場所代、求人のためのコストや入社手続きなどにかかるコストを考えると、スキャン代行サービスより高額になる場合も多いです。

スキャン代行サービスと自社スキャンとの費用の違い

大量にスキャンする書類がある場合には、費用や期間、品質の面から、スキャン代行サービスの利用がお得です。

スキャン代行サービスを選ぶ5つのポイント

では、スキャン代行サービスを利用するとして、複数あるサービスからどのサービスを選べば良いでしょうか?優良な業者を見分ける選定のポイントを5つご紹介します。

スキャン代行サービスを選ぶ5つのポイント

比較ポイント1:セキュリティ

セキュリティ対策を行っているかどうかは、プライバシーマーク(Pマーク)やISMSの認証を受けているかどうかで見分けると良いです。
プライバシーマークは、個人情報管理を適切に行っているかどうか認証を行っています。ISMSは、情報の機密性、完全性、可用性の維持を認証しています。どちらも認証機関が更新時に定期的に審査を行っているので、取得し続けている代行業者はセキュリティ面で比較的安心だと言えます。
これらの認証を受けていれば、WEBサイトに記載している場合が多いので、確認すると良いでしょう。
それぞれ、マークは下記のようなものです。(番号は、認証を受けている企業ごとに振られています)

プライバシーマークISMS

比較ポイント2:品質

品質を見るポイントは難しいのですが、文書情報管理士がいる代行業者(全員が取得している代行業者も)を選ぶと良いでしょう。この資格を持っている方は書類の電子保存のエキスパートなので、営業担当が有資格者の場合、スキャン後の書類の電子保存の方法なども、使い勝手を考えて提案してくれることがあります。別途、DX化のコンサルタント事業を行っている業者もあります。
また、スキャニング専門の作業者を置いている代行業者ですと、作業に慣れた方がスキャニングを行うので、データ品質が良いことが多く、おすすめです。

比較ポイント3:納期

納期は、依頼する量やサイズによって大きく異なってきますので、一概にどのくらいなら早いとは言えません。
しかし、最新式スキャナーや専門の技術者を複数揃えている代行業者は、スキャンスピードや作業スピード自体が早いため、納期も比較的短いことが予想されます。スキャナーのスピードは1枚当たり0.2秒~40秒と、かなりばらつきがあるため特に重要です。最新式の処理の早いスキャナーを導入している代行業者を選ぶと良いでしょう。
また、入稿方法によっても若干変化があるので、納期を早めたい場合には、問い合わせの際に作業の早い入稿方法を確認した方が良いでしょう。

大量の書類をスキャニングするなら、スキャン代行サービスがおすすめ

比較ポイント4:価格

価格も、納期と同じく量やサイズによって大きく異なります。原稿が大きいほど、また解像度が高いほど高額になります。さらに、モノクロよりカラーが高額です。
1枚当たりの単価が安くても、原稿を整える、ホッチキスを外すなどの付属する作業が発生するたびに別途料金がかかることが多く、単純に単価だけで比較しないことが大切です。最低発注金額が設定されているケースもありますので、要注意です。
簡易見積もりを利用して比較するためにも、依頼したい原稿のサイズと、冊子状やシート状といった原稿の種類、枚数などを把握しておくことをおすすめします。価格表の一部が要相談になっている代行業者も多く、見積もりを依頼して比較する方が確実です。

比較ポイント5:付随サービス

便利な付随サービスがあるかどうかも、比較のポイントです。

  • セキュリティの観点で便利な自社内でスキャニング作業を行う出張サービスや、梱包しにくい原稿も安心な引き取りサービス等の原稿の取り扱いに関するサービス。
  • テキストとしてデータ化できるOCR処理、データの検索が容易になるファイル検索機能付帯サービスなど、データの形式や取り扱いに関するサービス。
  • 外したホッチキスを戻す等の現状復帰サービス、原本のファイリングサービスや使用頻度は低いが保管はしておきたい場合に便利な原本の保管サービスなど、スキャン後の原稿に関するサービス。
    他にも色々なサービスがありますが、対応しているかどうかは代行業者によるので、希望しているサービスを行っている代行業者を選ぶと良いでしょう。

 

代行料金を格安に抑える2つの方法

スキャン代行サービスも、いざ見積もりを行ってみるとかなり高額になる場合があります。そこで、比較的安価にサービスを利用するためのテクニックを2つご紹介します。大きな手間をかけずに行える場合にはおすすめです。

料金を格安にするポイント1:原稿を整える

スキャン代行サービスの料金は、資料の状態によって大きく変わってきます。原稿をある程度整えてから依頼するだけで、料金を安く抑えられるかもしれません。
また、原稿を整えると事前に原稿を確認することにもなります。スキャンが不要な書類や、重複した書類を発見することもありますので、原稿は可能な限り事前に確認しましょう。単価で計算するスキャン代行サービスの場合、枚数が減った分だけ料金が安くなります。

原稿サイズを揃える(大判・A3・変形・書籍・冊子など)

サイズがバラバラな資料を揃えたり、ファイリングする順に並び替えたりするだけでも、準備の工程が減るため、費用を抑えられます。
原稿サイズによって、大判、A3、A4などと大きさを揃える、冊子やシートなど、形状で分けるのも効果的です。ただし、まとめた通りにファイルができてくるため、内容が異なるものを一緒にしてしまったり、逆にセットにしなければいけないものを離してしまったりすると、後でデータが使いにくくなってしまいます。
並び順に大きな意味が無い書類については、種類ごとにまとめるのが良いでしょう。

料金のかかる作業を事前に行う

料金のかかる作業を依頼前に事前に行ってしまうという方法もあります。例えば、ホッチキスや綴じ紐で綴じてある書類は、それらを外すことで準備や復帰の工程が減るので金額を抑えられます。順番通りに重ねてあれば、並びが変わる心配もありません。
データ作成後、原本を取り出して利用する機会が殆ど無いような書類であれば、並べて収納さえすれば綴じておく必要も殆どありません。余裕がある場合は確認のついでに外してしまうと良いでしょう。

料金を格安にするポイント2:スキャン依頼はまとめる

スキャン代行サービスを利用する場合、1枚当たりの単価は依頼枚数が多いほど下がる傾向にあります。よって、複数回に分けて依頼を行うよりも、一気に依頼をした方がスキャン料金を安くできます。後々スキャンする予定の書類があるのなら、まとめて依頼するのがおすすめです。

仕上がりやサービスに差が出るスキャン代行サービスだからこそ、ただ料金の安い代行業者を探すのではなく、価格を下げる工夫は別のところで行い、求める品質のデータを納品できる、希望に合ったサービスを行っている代行業者を選びたいものです。

スキャンサービス比較ポイント5つ全てを満たすスキャン代行

今回列挙した選定ポイントをもとにスキャン代行サービスをチェックした際に、5つの要素全てで評価できるサービスがありました。品質の良いスキャニングデータが必要なら、おすすめしたいサービスです。

シティコンピュータのスキャン代行は、プライバシーマークやISMSの認証を受けたセキュリティ管理の中で原稿を適切に取り扱うため、安心です。DX化のプロが提供するサービスで、文書情報管理士の資格を持つスタッフはスキャン後のデータ活用の観点からも助言できます。
最新鋭のスキャナーが複数導入されており、熟練の専門技術者が作業を行っているので、納品の早さも期待できます。ミスがないよう品質管理が徹底されている点も魅力です。価格は低価格高品質を謳っており、スキャン以外のサービスは別料金になっていますが、全体的に抑えられています。
また、付随するサービスも充実しており、特に専門のDXセンターにおける文書保管サービスは、新たに保管サービスなどに送る手間も無く嬉しいサービスです。

まとめ

スキャニングを行う書類の枚数が多いときには、どのようにスキャンを行えば良いのか検討を行ってきましたが、やはりスキャン代行サービスの利用が良さそうです。
業者を選ぶ際には、紹介した5つの選定ポイントである、セキュリティ、品質、納期、価格、付随サービスに注意して、条件に合ったサービスをしっかり選んでいただきたいです。また、原稿の整頓は、資料の内容を把握して見積もりを依頼するためにも、お得に発注するためにも大切ですので、時間やリソースに余裕があれば、ぜひ行って欲しい作業です。
業務の改善のためにも、オフィスの省スペース化のためにも有効な書類データ化。便利な代行サービスを利用して、手間無くお得にスキャニングを進めてください。