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データ化業務/ スキャニング/ 2022.11.22 2024.12.03

書類を安く大量にスキャンしたい!スキャン代行の選び方やコツを解説

書類を安く大量にスキャンしたい!スキャン代行の選び方やコツを解説

法律の改正やリモートワークの普及などでしばしば問題になる大量の書類。電子化しようにも、書類の量や既存のリソースなどの都合で、自分たちの手で行うのは非現実的であるケースも珍しくありません。

なるべくコストを抑えて大量の書類をスキャン・電子化したいものの、どのような手段がベストなのか、よりコストを抑える方法はないものかと頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、大量の書類を安価にスキャンできる方法、さらに安く抑えるための6つのテクニック、スキャンを活用できる対象などについて網羅的に解説します。
社内書類の電子化を検討している方や、できる限り安く大量にスキャンしたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。

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【結論】安く大量にスキャンしたい場合はスキャン代行一択

【結論】安く大量にスキャンしたい場合はスキャン代行一択

大量の書類を安くスキャンしたい場合は、「スキャン代行の活用」一択です。なぜなら、自社で行うには多くの人的・時間的リソースが必要であり、あまりにもデメリットやリスクが大きいからです。

スキャンの作業自体は決して難しくないものの、すべての書類をスキャンするだけでも相当の時間と労力がかかるのは想像に難くありません。加えて、自社でスキャンを行う場合は以下のような問題が起こりがちです。

  • スキャナーの台数や性能が足りない
  • 作業する人手が足りない
  • 書類がすぐにスキャンできる状態ではない(製本されている場合など)
  • サイズがバラバラで先に仕分けが必要
  • 正常にスキャンできているかチェックする必要がある
  • ミスが見つかったら再スキャンが必要

このような問題が次々と発生した結果、解決が追いつかずに書類の電子化そのものが頓挫してしまうケースも少なくありません。

スキャン代行を活用する最大のメリットは、このような面倒な課題の大半をスキップできることにあります。

一方で、ひとくちに「スキャン代行」といっても無数に業者が存在しており、対応できる範囲や価格、品質などは業者によって大きく異なります。

良い代行業者を選ぶことはもとより、些細なポイントを抑えておくことでより安く、より良い品質でのスキャン・電子化が可能になります。具体的なポイントは後述しますので、ぜひ参考にしてください。

スキャン代行の相場

スキャン代行の相場

スキャン代行の料金は、以下の条件によって変動するのが一般的です。

  • スキャン画像の解像度(単位:dpi)
  • 白黒・グレースケール・カラーのいずれでスキャンするか
  • ADF(自動読取装置)を使うか、手置きか
  • OCR機能(テキストの自動判読)の有無
  • 書類のサイズ

費用感の目安として、A4判のスキャンの相場平均を見てみましょう。

解像度 カラー ADF平均単価 手置き平均単価
200 dpi モノクロ 5.2円 19.8円
グレースケール 10.4円 25.6円
カラー 11.4円 26.8円
300 dpi モノクロ 6.2円 22.3円
グレースケール 12.3円 28.0円
カラー 12.3円 28.0円
400 dpi モノクロ 7.4円 26.4円
グレースケール 15.9円 32.8円
カラー 15.9円 32.8円

参照:自社調査「全国のスキャン料金を調査!スキャン料金相場と最安値」

この表から、解像度が高く、カラーで、手間のかかる手置き方式を選択した場合が最も料金が高くなることがわかります。

上記のほか、以下のような物理的な作業が発生する場合は、付帯サービスとして別途オプション料金が加算される傾向にあります。

  • スキャン後、紙の原本は廃棄する
  • ホチキス止めを外す
  • 製本されている書類を断裁する
  • スキャン後、ホチキス止めや製本を復元する
  • フォルダを作ってスキャンデータをまとめる
  • スキャンデータにナンバリングする
  • トリミングなどの画像加工をする
  • CD・DVDでスキャンデータを納品する

ただし、スキャン代行業者によって代行できる作業の種類や範囲が異なります。スキャン以外の作業を想定している場合は、利用前に確認しておくことをおすすめします。

スキャン料金の全国相場や最安値、付帯サービスの相場などをより詳しく知りたい場合は、以下の資料もご参照ください。

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大量書類のスキャンをさらに安くする6つの方法

大量書類のスキャンをさらに安くする6つの方法

スキャン代行の料金は、サイズやカラーなどの「スキャン形式」のほか、「スキャン以外の物理的な作業」に応じて、オプションという名目で料金が加算される傾向にあります。

これは言い換えると「事前に代行業者の手間を減らせれば価格はさらに安くなる」ということでもあるのです。具体的には以下6つの方法が挙げられます。

  1. スキャン代行業者の手間を減らす
  2. 一度にまとめて依頼する
  3. 納期を長めに設定する
  4. スキャン代行業者の繁忙期を避ける
  5. オンデマンドスキャンを活用する
  6. 定額スキャンを活用する

スキャン代行業者の手間を減らす

事前に書類の体裁を整えておくだけでもスキャン代行業者の手間を減らせるため、オプション料金を抑えられる可能性があります。

具体的には以下のような作業が挙げられます。

  • スキャンが不要な書類、重複している書類を省いておく
  • 書類のサイズや形状を統一しておく
  • サイズや形状が複数ある場合は仕分けしておく
  • 書類の並び順を整えておく

依頼するスキャン代行によっても異なりますが、基本的にはスキャンする枚数と料金は比例します。そのため、不要な書類を省いておくことがコストダウンに直結するのです。

また、スキャン前にサイズや形状が異なる書類を揃えたり、保管する順に並べ替えたりすることもスキャン代行業者の工数削減になる場合があります。

特に並び順を整えることは、納品後のデータの使い勝手が良くなったり、ナンバリングしやすくなったりと、自社と業者の双方にメリットがあります。

オプション料金が発生しやすい作業

上記の他、オプション料金が発生しやすい作業は以下のようなものです。

  • 書類を綴じているホチキスを外す
  • 製本されているものは断裁する
  • 付箋を外す

これらの作業を事前に行っておけば、その分オプション料金を節約できる可能性があります。特に「断裁」は、作業にかかる費用を削減できるだけでなく、ADF(自動読み取り装置)を利用できるようになることで1枚あたりの単価が安くなるうえ、スキャンスピードも向上します。

なお、上記の作業や作業指示をしなかった場合は、「ホチキスは外して良いのか」「スキャン後は元通りに復元した方が良いのか」「製本は断裁して良いのか」「スキャン後の書類は処分して良いのか」など、不明点が出てくる度に確認作業が発生します。

業者と自社双方の工数が増えるだけでなく、作業や納期の遅延に繋がる恐れもあるため注意が必要です。

一度にまとめて依頼する

スキャン代行は、一度にまとめて依頼した方が安くなる傾向にあります。枚数が多ければ多いほど1枚あたりの単価が下がるためです。

トータルは同じ枚数であっても、小分けにして依頼する度に基本料金がかかる場合もあり、結果的に割高になるケースがほとんどです。代行業者とのやり取りや工数が増えることを考慮しても、小分けにするメリットはほぼ無いといえます。

スキャン代行に依頼する前に、ほかに電子化したい書類はないか、後々スキャンすることになる書類はないかを確認し、できる限り一度にまとめて依頼することをおすすめします。

納期を長めに設定する

利用するスキャン代行業者によっては、納期を長めに設定するだけでコストダウンを実現できる場合があります。納期の長さに応じて料金が変動するスキャン代行業者が存在するためです。

納期が長ければ長いほど代行業者の作業負担が軽減されるうえ、緊急性の高いほかの注文を優先できるなど、業者側にメリットがあるためです。

すべてのスキャン代行業者に当てはまるわけではありませんが、少しでもコストを抑えたい場合は料金体系をチェックしてみると良いでしょう。

スキャン代行業者の繁忙期を避ける

納期に特段のこだわりが無い場合は、スキャン代行業者の繁忙期を避けて依頼した方が費用を安く抑えられる可能性があります。スキャン代行に限ったことではありませんが、需要が高い時期は通常時に比べて料金が高くなる傾向にあるためです。

スキャン代行業者の繁忙期は、概ね年度末から3月頃までの期間なので、それぞれの期間で価格が異なるのかも確認してみると良いでしょう。

オンデマンドスキャンを活用する

1回あたりのスキャンにかかるコストを安く抑えたい場合は、オンデマンドスキャンサービスを活用するのも良い方法です。

オンデマンドスキャンとは、スキャンしたい書類を一旦すべてスキャン代行業者の倉庫に預けて、必要に応じてその都度スキャンを行うサービスです。

オンデマンドスキャンを活用することで、必要なときに必要な分だけスキャンできるため、その都度最小限のコストでスキャンできます。

ただし、スキャン代行は一度にまとめて依頼した方がトータルコストが安くなる傾向にあるため、自社の状況や書類の量などを考慮して慎重に判断する必要があります。

定額スキャンを活用する

スキャン代行業者によっては、「定額スキャンサービス」を提供している場合があります。

定額スキャンサービスとは、1か月にかけられる予算の範囲でスキャンを行うサービスです。予算に応じてスキャンする量や内容が決まる場合や、指定の箱に詰められる分だけスキャンする場合など、内容はさまざまです。

いずれの場合も1回あたりのコストを抑えられるため、まとまった費用を用意するのが難しい場合や、1か月ごとに予算を組んで中長期的に処理したい場合などに適しています。

ただし、オンデマンドスキャン同様に、一括で依頼するケースに比べるとトータルコストは高くなる可能性があることは理解しておく必要があります。

スキャン代行に依頼できる作業範囲

スキャン代行に依頼できる作業範囲

一般的なスキャン代行業者に依頼できる作業範囲を紹介します。

スキャンできる書類のサイズはA4~A3、B4~B3などの一般的なサイズから、A2~A0、B2~B0などの大判スキャンに対応している業者もあり、モノクロ・グレースケール・フルカラーから選択できるのが一般的です。

スキャンに関連するその他の作業としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 書類の回収・返送
  • 書類の仕分け
  • ホチキス外し(スキャン後の復元)
  • 製本資料の断裁(スキャン後の復元)
  • ファイル名のリネーム
  • ファイルへのナンバリング
  • スキャンデータをまとめるフォルダの作成
  • 不要になった書類の廃棄

また、上記の作業よりは対応できる業者が減りますが、以下のような作業にも対応している場合があります。

  • スキャン後の原本保管
  • データの入力代行
  • 出張スキャンサービス
  • オンデマンドスキャンサービス
  • 電子帳簿保存法に対応したスキャン
  • OCR(テキストの自動判読)
  • 名刺・契約書・領収書などに特化したスキャン

自社の書類の状態やニーズに合わせて、上記のような作業を代行業者に委託するか、自社で実施するかを検討すると良いでしょう。

なお、スキャン代行業者によって依頼できる作業範囲が異なるため、事前に確認しておくと安心です。

良いスキャン代行を選ぶ際の6つのポイント

良いスキャン代行を選ぶ際の6つのポイント

スキャン代行業者は無数に存在し、業者によって内容やクオリティが大きく異なります。その中から自社に合った良いスキャン代行を選ぶためには、以下6つのポイントに注目して複数の業者を比較することが大切です。

  1. 価格
  2. サービスクオリティ
  3. セキュリティ体制
  4. 納期
  5. 付帯サービス
  6. サポート体制

価格

スキャンする書類の量やサイズが同じであっても、価格は業者によって異なります。

複数社の料金表を比較するのはもちろんのこと、オプション料金もよく比較しましょう。料金表の単価が安くても、書類の体裁を整える、ホッチキスを外すなどの作業が発生するたびに別途料金が加算されるケースが多いためです。

どのような作業にオプション料金がかかるかがわかれば、前項「大量書類のスキャンをさらに安くする6つの方法」を実践することでコストを抑えられる可能性もあります。

また、枚数やサイズなどによっては価格交渉ができるケースや、はじめから「要相談」としている業者もあるため、より正確な金額を知りたい場合は見積依頼をしたうえで比較すると良いでしょう。

なお、以下からスキャン料金の全国相場や最安値、付帯サービスの相場などをまとめた資料をダウンロードできますので、あわせてご活用ください。

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サービスクオリティ

スキャン代行業者の体制や事業領域などから、大まかなサービスクオリティや作業に対する信頼性を測ることができます。

たとえば、代行業者に「文書情報管理士」が在籍しているケースが挙げられます。文書情報管理士とは、長期保管の技術・関連法規・規格などに精通している、書類の電子保存におけるエキスパートです。営業担当が有資格者の場合、スキャン後の書類データの適切な保存方法などもアドバイスしてくれるでしょう。

また、スキャン代行とは別に、DX関連のコンサルティング事業を行っている業者もおすすめです。DXは書類のスキャニングや電子化とも親和性が高く、スタッフも作業に慣れている可能性が高いためです。

セキュリティ体制

スキャン代行を利用する際は、セキュリティ体制にも注目する必要があります。社外秘の機密情報や個人情報などが含まれている書類を、一時的に第三者(=スキャン代行業者)に預けることになるためです。

セキュリティ体制を確認する簡単な方法として、プライバシーマーク(Pマーク)やISMSの認証を受けているかどうかが挙げられます。(画像参照)
セキュリティ体制

プライバシーマークは、個人情報保護において一定の基準を満たした事業者に対して、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が使用許可を出している登録商標で、パンフレットやWEBサイトなどで公開されています。

また、ISMSは情報セキュリティにおいて、機密性・完全性・可用性の基準を満たし、それを維持していることを証明する認証です。

これらの認証やマークを確認できる業者は、セキュリティ体制において一定の信頼性があると考えて良いでしょう。

納期

納期も必ずチェックしておきたいポイントのひとつです。スキャン代行の納期は一定ではなく、さまざまな要因で変動するためです。

要因のひとつとして、依頼する時期が挙げられます。年度末〜3月頃の繁忙期は通常よりも納期が長くなり、閑散期にあたる4月は比較的融通が利きやすくなる傾向にあります。

また、代行業者が保有している機器や、依頼する形式(ADFか手置きかなど)によってもスキャンスピードは大きく異なります。1枚あたりのスキャンスピードが異なるため、依頼する枚数によって全体の納期が大きく変わってきます。

納期を早めたい場合は、実際に問い合わせて納期を確認するとともに、入稿方法として自社で協力できることはないかなどを相談してみると良いでしょう。

付帯サービス

スキャン以外の作業も依頼したい場合は、付帯サービス(オプション)も確認する必要があります。代行業者によって対応できる範囲が異なるためです。

どんなに低コストだったとしても、依頼したい作業が漏れなく実行できなければ意味がありません。また、できる限り安く依頼したいと考えつつも、リソースの関係でどうしても作業を委託しなければならない場合もあるでしょう。

特に、ホチキス外しや製本の断裁、スキャン後の復元などの物理的な作業や、電子化した後のデータの整理やフォルダ分けなど、量によっては自社で行うのが困難な場合も少なくありません。加えて、このような作業に追われるあまり、通常業務に支障をきたしてしまっては本末転倒です。

最終的にどのような形で保管するのかまで見据えて、委託したい付帯サービスを行っている代行業者を選びましょう。

サポート体制

サポート体制も重要な比較ポイントです。

料金体系が明確で追加料金は無いか、質問に対してしっかり回答してくれるか、問い合わせややり取りを行うなかでチェックしておきましょう。

スキャンした書類の電子保存を想定している場合、社内に専門知識を備えた部署や人材が整っていない場合は、文書情報管理士が在籍している業者を選ぶと安心です。

また、自社に書類を保管するスペースがない場合は、オンデマンドスキャンに対応している業者を選ぶことで解決できます。

どのようなサポートを必要としているかは企業によって大きく異なります。自社の状況やサポートを必要としている領域を明確にし、希望のサポートを受けられる業者を選びましょう。

まとめ

書類を安く大量にスキャンしたい場合は、スキャン代行業者に委託するのが無難です。自社で行うには多くの人的・時間的リソースを要するうえ、想定外の費用がかかったり、突発的な問題が発生したりするケースが多いためです。

スキャン代行の相場は、画像の解像度・書類のサイズ・カラー・スキャン方式などによって異なり、ホチキスの付け外しや製本の断裁など、スキャンを行ううえで必要な作業が発生する度にオプション料金として加算されるのが一般的です。

より安くスキャンを実現するためには、元々料金が安い代行業者を選ぶことに加えて、代行業者の物理的な手間や工数を減らし、オプション料金を節約することが大切です。

また、数あるスキャン代行業者の中からより良い業者を選ぶポイントは、価格・サービスクオリティ・セキュリティ体制・納期・付帯サービスの6つを比較することです。

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